「愛とためらいの哲学」 岸見 一郎 PHP新書
恋愛も対人関係。対人関係がうまくいかない人が恋愛でだけ成功できるのか。
恋愛は、関係が持続することが、他の対人関係と異なる。
「自分に価値があると思う時にだけ勇気をもてる」
うまくいかない。やらない。理由づけを人びとは探している。
どんな時でも、どんな状況でも、うまくいっている人はいるのだ。
理由を探して逃げていることを自覚することだ。
愛するといつことは能力である。技術である。
嫉妬する人にもはや愛はない。
誰もが悲劇を過去に経験しているだろうが、それによって全員の行動が変わるわけではない。
そんなことがあったからしょうがないではなく、自分が何を恐れているのか。向き合うことでライフスタイルは変えていけるのではないか。
愛は強制できない。
愛されたいなら、愛する努力をしなくては。
相手を信頼できない人は、相手を見張る。嫉妬。
もしある女性が花を好きだと言っても、彼女が花に水をやることを忘れてしまったのを見てしまったら、私たちは花に対する彼女の「愛」を信じることはできないだろう。愛とは、愛する者の生命と成長を積極的に気にかけることである。この積極的な配慮がないところに愛はない。
哲学は、驚きから始まる。
自分とは違った考え方、感じ方があることは、人生を豊かにします。
別れの理由は、どこにでも。
喧嘩は別れのきっかけにしか過ぎない。
仲直りする道もある。
別れるために理由を探すのだ。
「あの人は嫌いだけど、あなたは好き」愛する能力を持っているとは言えない。
「あの人もあなたも好きだが、あなたのことがより好き」強いて言えばこれ。比較の問題は残るが。
あなたのことも、他の人も愛することができるけども、あなたを他の誰よりも愛する。
本来の愛の形。
愛は、ギブアンドテイクではない。
「あなたにこれだけのことをしたんだから、その分、返してほしい」と要求するこたは、愛ではなく取引だ。
与えられたものは、他に返せば良い。
親から与えられたものは、子供へ。
結婚しない人は、仕事、社会へ。
「ラストダンスは私に」
あなた、好きな人と踊っていらっしゃい。でも、最後のダンスは私にとっておいてほしい。
相手を縛りつけようとすることが、かえって相手を遠ざけることを知らなければならない。
相手に縛られず自由であると感じられる時、そのように許してくれた人の愛を強く感じる。
愛は、自由を求める。
言葉はきちんとストレートに伝える。どうしてほしいかを言わないと、察してもらうことを期待してはいけない。
対等な関係でいること。
相手に関心を持つこと。
相手とは、分かり合えないという前提を持つこと。
いつも上機嫌でいよう。
「今、ここを生きる」
今ここに一緒にいられることを喜べる2人の関係が長続きする。
会えるその時を楽しみ、次に会うことを考えない。
満ち足りた時間を過ごし、完全燃焼する。
その結果、次に繋がる。
付き合いが長くなっても、初めて会うのだと考える。
慣れてはいけない。
人は常に変わり続ける。
目の前にいる人が、昨日と同じ人であることはありえない。この人は、昨日とは違う人かもしれないと思って接しなければ、相手が変わっていても気づくことはできない。
驚きを忘れない。恋愛は、驚きから始まる。
ありのままを尊敬する。
無条件を信じる。
「次は頑張る」「明日からダイエットをする」
「そんな話は飽きた」と皮肉を言わずに、
そんな時こそ
「頑張ってね」
と言いたい。
良い関係でいたいと思うなら、どんな場合も相手を信じるしかない。
「あなたのことを信じていたいのに」という人は、
初めから信じていない。